Q & A 

家系と血系とを混同した思想

 明治初年以降に流入した西欧の実証主義社会学に史学方法論の基礎を求める風潮の中で、史学界は物的史料に重点を置き文献類の中でも系譜・系図類は二級史料と位置づけている。
 明治から昭和敗戦までは皇国史観を是とする立場から、史学界は皇室系図を批判しないのとは裏腹に封建諸侯の出自は胡散臭いものとして否定根拠が薄弱なのに多くの系図に筆誅を加えている。
 昭和敗戦後の史学界は唯物史観に傾き、考古学史料や建築・美術史料のオンパレードであり家系などは封建社会の遺物と葬り去ったが、現実社会は閨閥による人的ネットワークにより支配されているのは万古不易の法則である。
 家系=血系の思想に基づけば、日本中のほとんどの家系は出自不詳と仮冒であり、出自などは全く無意味となる。
 多くの家が四代も男系を遡れば苗字が異なる事例も多く、家名の消滅を惜しみ家系継承に苦悩している。
 家系とは家督と先祖祭祀を継承するものであり、必ずしも血系の継続を伴うものでなく三つのレベルが存在する。
 
1.血系絶対主義(絶対男系でないといけない)
 天皇家に赤信号が点灯中。藤原氏五摂家も二条家以外は既に異姓により継承。
2.養子容認主義(婿取り、同族による家系継承)
 歴史の長い旧家は、ほとんどこれで救われている。
3.名跡容認主義(猶子、非血縁養子、絶家再興、官職就任改姓など)
 血は繋がらないが同族扱いで家系継承。
 
※現実には2と3のグレーゾーンと見られる家系も多い。(織田氏、徳川氏などの例)


 


戻る